時々、頭をよぎるアイデアやひらめきのようなものがあります。それらは行動に移されれば、この世にそのアイデアを形にすることができます。しかしどんなすばらしいアイデアでも何もしなければ、そのアイデアは今朝見た夢のように消えてしまいます。 私の中で…
前回の投稿からもう3か月以上経ってしまいました。もう暖かくなりましたので、ブログも再開です。 前々回からの続きです。前々回は『ハムレット』のQ1とF1のそれぞれのテキストから”To be, or not to be,”から始まるハムレットの独白を取り出して比較してみ…
とても寒いです。私の家は冬期間、通常はすき間風が室内をそよいでいますが、ここのところの寒気で突風のある日にはすき間雪すら入ってきてしまうのです。一体いつの時代だと思われるでしょうが、昭和初期の家なので仕方ないと思って諦めます。しかし諦めて…
さて前回からの続きで、『ハムレット』のQ1に関してです。まずは前回のおさらいを簡単に。『ハムレット』にはQ1と呼ばれるテキストがあるのですが、このQ1は通常の『ハムレット』の半分程度の長さしかなく、その内容もあっさりしています。そのためこれは『…
『ハムレット』にはQ1*1というテキストがあります。第一四つ折版と訳されます。このQ1は「粗悪四つ折版」などと言われたりするのですが、非常に興味深いものなのです。今回はこのQ1に関して一般的な見解とそこにある問題などをまとめてみたいと思います。そ…
前回の記事である程度書きためておいたものをブログに掲載することができました。このブログはできれば最初から通して読んでいただきたいのですが、それぞれの記事も長めですし全体像が見えにくいかと思いますので、今回通し番号を0. としてこれまでの記事の…
ウィリアム・シェイクスピア 前々回の47.アムレートからハムレット - ハムレットのシンメトリーの記事では、ニューケンブリッジ版『ハムレット』の序文で述べられている『ハムレット』の題材となったアムレートの物語と『ハムレット』を比較した際の6つの変…
なかなか前回の続きが書けないでいるので今週のお題でまた書いてみる事にしました。今週のお題「人生最大のピンチ」。これなら『ハムレット』ネタで書ける、そう思った次第です。なぜなら登場人物のほとんどがこの戯曲中に舞台の上で、あるいは舞台の外で死…
シェイクスピアは『ハムレット』をはじめとする多くの戯曲作品の他に詩も残しています。その中でも『ソネット集』はいくつか翻訳もされていて有名かと思います。このソネットというのは詩の形式で十四行詩と呼ばれるように14行で特定の押韻構成があります。…
前回は『ハムレット』のテキストに色違いの付箋を貼ってみました。そのようにすることで『ハムレット』の対称構成が実際に目に見えるようになりました。このように対称構成が目に見えるようになると、シェイクスピアの創作が身近に感じられるとともに、より…
今回のネタは、以前のはてなブログ今週のお題「買いそろえたもの」で使おうと思っていたネタです。このブログをより楽しみ、理解するために買いそろえるとよいものを紹介します。 まずは『ハムレット』のテキスト、これはどこの出版社でもいいのですが、なる…
『ハムレット』の批評では、なぜハムレットは復讐を先延ばしにしたのかという事が、しばしば問題として取り上げられます。後藤武士の『ハムレット研究』でも第4章が「復讐遷延論」として設けてあり、18世紀から20世紀までの間、この問題がどのように考えら…
前回は第一幕に登場する父ハムレットの亡霊と、第五幕第二場で死ぬハムレットを、死後の精気のあり方という観点から見ました。精気は肉体と霊魂、見えるものと見えないものを媒介する役割を持ちます。そのため宗教的な場面では、神的な存在との媒体ともなる…
前前回は第五幕第一場の墓掘りの場面の考察をしました。この第五幕第一場にハムレットが登場すると、墓掘りはまずハムレットにとって見ず知らずの人々の遺骨を掘り返します。そして次にハムレットが幼い頃に親しんだ宮廷の道化ヨリックの頭蓋骨を取り上げ、…
今週のお題「買いそろえたもの」で、このブログを書くのに買いそろえたものは、前回のお題の「コレクション」の画像で紹介した本なので、これらの本について少し書いてみようと思います。 同じ画像をのせるのもつまらないので鉱物コレクションを変えてみまし…
今回取り上げる場面は、このブログでこれまでほとんど取り上げてこなかった場面です。それは第五幕第一場の道化の墓掘りが登場する場面です。第五幕第一場は前半と後半に大きく分けることができます。前半はこの墓掘りたちの場面で後半はオフィーリアの葬儀…
はてなブログの今週のお題が「コレクション」ですので、私が『ハムレット』を読み解くのに集まっていった本を本棚に集めて写真に撮りました。参考文献として見てもらえればと思います。 一枚目の画像の下段は『ハムレット』と『ハムレット』の解説本です。上…
前回は絵画の技法から、ルネサンスとマニエリスムを比較し、それを『ハムレット』の表現に当てはめて考察しました。今回は人文学としてのルネサンスと、それがどのように『ハムレット』に影響を与えているかを見てみたいと思います。 教科書的には、ルネサン…
前回は凸面鏡とアナモルフォーズの絵画を例として、『ハムレット』のシンメトリー構成が歪んだシンメトリーである事をみました。このブログの3.ルネサンスのシンメトリーで見ましたように、シンメトリーはルネサンスの芸術で重視された概念でした。 絵画の…
前々回からの続きです。前々回は『ハムレット』のABCDEF| fedcba構成の中心である第三幕第二場のガートルードに向ける鏡について考察しました。今回は、その鏡に関連しながらABCDEF| fedcba構成全体について考えてみたいと思います。 このブログの3.ルネサ…
このブログは『ハムレット』の新たな解釈を公開するのを目的としているのですが、前々回はてなブログの「今週のお題」にそって書いてみたら、わりと面白いうえ新たな発見もあったりしたので、今回もそれを期待してお題で書いてみようと思います。それで、「…
前々回からの続きです。前々回は、まずABCDEF| fedcba構成の中心は閉幕後のホレイショーの語りと対応関係を持つのではないかと仮定しました。そしてそのABCDEF| fedcba構成の中心は、第三幕第四場のハムレットがガートルードに向ける鏡であることがわかりま…
今回はこれまでの流れをお休みして、はてなブログの「今週のお題」で書いてみたいと思います。このブログは『ハムレットのシンメトリー』と題して『ハムレット』の謎解きを目的としたブログなので、お題に関しても『ハムレット』に即した事を書ければと思っ…
前回までで、『ハムレット』のシンメトリー構成の対称ペアは全て公開しました。しかしそれは私が見つけた限りのものですので、もしかすると他にも対称的に見る事ができるものがあるのかもしれません。 今回からは、この『ハムレット』のシンメトリー構成全体…
前回は第三幕第三場のハムレットが身を隠しクローディアスを殺そうとする場面と、第三幕第四場のハムレットが身を隠しているポローニアスを殺してしまう場面が対称となっている事を見ました。これは確かに対称となっているのですが、他の対称ペアと比べて面…
さて、今回はいよいよ『ハムレット』のシンメトリー構成の最後のペアを探します。シンメトリー構成の表に残っている空欄は1つだけで、それは第三幕第三場クローディアスが神に自らの罪の許しを祈っているところを、身を隠したハムレットが背後からクローディ…
前回は精気という概念を通してみることによって、オフィーリアの歌う歌とハムレットの手紙とその詩がいかに対称的に描かれているか見ました。それは単に、歌われた歌と書かれた言葉という形式の面だけでなく、その本質的な部分において対称的に描かれている…
前回は、ハムレットの手紙とその詩とオフィーリアの歌う歌を、対称に描かれているものとして、その手紙と詩を心の内を他者に伝えるための媒体として考察しました。今回は、前回考察したこの過程をルネサンス思想の下に、読み直してみたいと思います。 このブ…
今回から、再び『ハムレット』のシンメトリー構成に戻ります。前回まで、対称構成の表はだいぶ埋まり、あとは2か所が空白になっているだけです。 今回は、第二幕第二場でオフィーリアにあてたハムレットからのラブレターをポローニアスが面白半分に批評しな…
前回は、フォーティンブラスが粘液質を、レアティーズが胆汁質を表しているらしい事を指摘し、四体液質がそれぞれどの人物に描かれているかを見ました。今回は『ハムレット』のテーマの一つでもある憂鬱質が、どのような背景を持っているのか、ルネサンスの…