ハムレットのシンメトリー

Hamlet's Questions and One Man's Answers

円環

36.アナモルフォーズの演劇

前々回からの続きです。前々回は『ハムレット』のABCDEF| fedcba構成の中心である第三幕第二場のガートルードに向ける鏡について考察しました。今回は、その鏡に関連しながらABCDEF| fedcba構成全体について考えてみたいと思います。 このブログの3.ルネサ…

35.『ハムレット』を「鬼」で解釈する

このブログは『ハムレット』の新たな解釈を公開するのを目的としているのですが、前々回はてなブログの「今週のお題」にそって書いてみたら、わりと面白いうえ新たな発見もあったりしたので、今回もそれを期待してお題で書いてみようと思います。それで、「…

32.『ハムレット』シンメトリー構成とその中心

前回までで、『ハムレット』のシンメトリー構成の対称ペアは全て公開しました。しかしそれは私が見つけた限りのものですので、もしかすると他にも対称的に見る事ができるものがあるのかもしれません。 今回からは、この『ハムレット』のシンメトリー構成全体…

17.『ジュリアス・シーザー』キャシアスの台詞について、さらに

前回は『ハムレット』と「世界劇場」の関係を、シェイクスピアの他の作品をもとに考察しました。そして、そこからシェイクスピアは「この世は舞台、男も女もみな役者だ」といった場合の、その「世界劇場」の観客として、一つには神、そしてもう一つには後世…

14.イギリスの内の舞台

『ハムレット』は現在に至るまで、あらゆる国のあらゆる劇場で演じられてきました。おそらくシェイクスピア自身は、将来において世界各国の劇場で演じられるなどは想定していなかったかもしれません。しかしシェイクスピアが『ハムレット』の上演される劇場…

11.『ハムレット』の劇外劇

前回は劇中劇と閉幕後のホレイショーの語りとの関係を考察し、この二つが対称的に作られているという事を指摘しました。少し入り組んでいましたので、もう一度この二つの関係を見ていきたいと思います。 まず、劇中劇とは『ハムレット』の中でどういうものか…

9.ハムレットウロボロス

前回までに『ハムレット』におけるTo be は開幕から閉幕までの間の舞台上で目に見え、耳で聞くことのできる表現であり、それに対してNot to beは開幕までの時間と閉幕からの時間に設定されている事柄である事をみました。これらは『ハムレット』を見ている観…