ハムレットのシンメトリー

Hamlet's Questions and One Man's Answers

ポローニアス

50.『ハムレット』Q1は海賊版なのか?

『ハムレット』にはQ1*1というテキストがあります。第一四つ折版と訳されます。このQ1は「粗悪四つ折版」などと言われたりするのですが、非常に興味深いものなのです。今回はこのQ1に関して一般的な見解とそこにある問題などをまとめてみたいと思います。そ…

32.『ハムレット』シンメトリー構成とその中心

前回までで、『ハムレット』のシンメトリー構成の対称ペアは全て公開しました。しかしそれは私が見つけた限りのものですので、もしかすると他にも対称的に見る事ができるものがあるのかもしれません。 今回からは、この『ハムレット』のシンメトリー構成全体…

30.『ハムレット』の最も中心にある対称ペア

さて、今回はいよいよ『ハムレット』のシンメトリー構成の最後のペアを探します。シンメトリー構成の表に残っている空欄は1つだけで、それは第三幕第三場クローディアスが神に自らの罪の許しを祈っているところを、身を隠したハムレットが背後からクローディ…

27.ハムレットの手紙と対称となるのは

今回から、再び『ハムレット』のシンメトリー構成に戻ります。前回まで、対称構成の表はだいぶ埋まり、あとは2か所が空白になっているだけです。 今回は、第二幕第二場でオフィーリアにあてたハムレットからのラブレターをポローニアスが面白半分に批評しな…

16.世界劇場とその観客

前回は『ハムレット』の中に「世界劇場」の理念が含まれているのかもしれないと仮定してみました。そして『ハムレット』に「世界劇場」の理念が組み込まれているのであれば、それによって何が表現されているのかを考えました。今回はさらにこの『ハムレット…

12.劇中劇とシンメトリーとなるのは

ハムレットのイギリスへの渡航です。これが『ハムレット』の中で劇中劇とシンメトリーとなります。 しかし、ハムレットのイギリスへの渡航とはどのようなものだったでしょうか?『ハムレット』を読むか観たのがかなり以前の方であれば、劇中劇は印象に残って…