ハムレットのシンメトリー

Hamlet's Questions and One Man's Answers

グローブ座

18.グローブ座の To be, or not to be

前回は『ジュリアス・シーザー』のキャシアスの台詞の構造と『ハムレット』の構造について、両者に共通するものがある事を指摘しました。そして、キャシアスの台詞の「われらのこの崇高な場面」という言葉が、シェイクスピア自身の実際の経験をもとにしてい…

17.『ジュリアス・シーザー』キャシアスの台詞について、さらに

前回は『ハムレット』と「世界劇場」の関係を、シェイクスピアの他の作品をもとに考察しました。そして、そこからシェイクスピアは「この世は舞台、男も女もみな役者だ」といった場合の、その「世界劇場」の観客として、一つには神、そしてもう一つには後世…

15.劇場としてのイギリス

前回は、ハムレットに語られたイギリスが、舞台の外に広がっているという事を示して、閉幕後のホレイショーの語りと対比して考察しました。 『ハムレット』におけるイギリスと閉幕後のホレイショーの語りは、ともに重要な要素だと思われるのですが、両方とも…

14.イギリスの内の舞台

『ハムレット』は現在に至るまで、あらゆる国のあらゆる劇場で演じられてきました。おそらくシェイクスピア自身は、将来において世界各国の劇場で演じられるなどは想定していなかったかもしれません。しかしシェイクスピアが『ハムレット』の上演される劇場…