ハムレットのイギリスへの渡航です。これが『ハムレット』の中で劇中劇とシンメトリーとなります。 しかし、ハムレットのイギリスへの渡航とはどのようなものだったでしょうか？『ハムレット』を読むか観たのがかなり以前の方であれば、劇中劇は印象に残って…

前回は劇中劇と閉幕後のホレイショーの語りとの関係を考察し、この二つが対称的に作られているという事を指摘しました。少し入り組んでいましたので、もう一度この二つの関係を見ていきたいと思います。 まず、劇中劇とは『ハムレット』の中でどういうものか…

前回は、『ハムレット』という戯曲がその登場人物の一人であるホレイショーが語るものを舞台上に見えるようにしたものではないか、という説を立ててみました。さらに、それによって『ハムレット』が円環するような構造を持つという仮説にいたりました。 そこ…

前回までに『ハムレット』におけるTo be は開幕から閉幕までの間の舞台上で目に見え、耳で聞くことのできる表現であり、それに対してNot to beは開幕までの時間と閉幕からの時間に設定されている事柄である事をみました。これらは『ハムレット』を見ている観…