オフィーリア
『ハムレット』にはQ1*1というテキストがあります。第一四つ折版と訳されます。このQ1は「粗悪四つ折版」などと言われたりするのですが、非常に興味深いものなのです。今回はこのQ1に関して一般的な見解とそこにある問題などをまとめてみたいと思います。そ…
前回は精気という概念を通してみることによって、オフィーリアの歌う歌とハムレットの手紙とその詩がいかに対称的に描かれているか見ました。それは単に、歌われた歌と書かれた言葉という形式の面だけでなく、その本質的な部分において対称的に描かれている…
今回から、再び『ハムレット』のシンメトリー構成に戻ります。前回まで、対称構成の表はだいぶ埋まり、あとは2か所が空白になっているだけです。 今回は、第二幕第二場でオフィーリアにあてたハムレットからのラブレターをポローニアスが面白半分に批評しな…
前回は、ルネサンスにおいて重要な概念である精気というものが、どのようなものであるかを記してみました。今回はこのブログの主題である『ハムレット』のシンメトリー構成に戻ります。 これまでに解説してきた『ハムレット』の対称ペアはA|a 亡霊と亡骸、B|…
『ハムレット』のシンメトリー構成の続きですが、ここまではまだ劇中劇の対称ペアがハムレットのイギリスへの渡航であることが明らかになっただけです。これを対称ペアの表に書き加えてみましょう。まだ半分の対称ペアが空白ですが、今回は第一幕第二場の王…
ハムレットのイギリスへの渡航です。これが『ハムレット』の中で劇中劇とシンメトリーとなります。 しかし、ハムレットのイギリスへの渡航とはどのようなものだったでしょうか?『ハムレット』を読むか観たのがかなり以前の方であれば、劇中劇は印象に残って…