ハムレットのシンメトリー

Hamlet's Questions and One Man's Answers

美術史

37.三一致の法則、線遠近法とマニエリスム

前回は凸面鏡とアナモルフォーズの絵画を例として、『ハムレット』のシンメトリー構成が歪んだシンメトリーである事をみました。このブログの3.ルネサンスのシンメトリーで見ましたように、シンメトリーはルネサンスの芸術で重視された概念でした。 絵画の…

36.アナモルフォーズの演劇

前々回からの続きです。前々回は『ハムレット』のABCDEF| fedcba構成の中心である第三幕第二場のガートルードに向ける鏡について考察しました。今回は、その鏡に関連しながらABCDEF| fedcba構成全体について考えてみたいと思います。 このブログの3.ルネサ…

26.ルネサンスの憂鬱質

前回は、フォーティンブラスが粘液質を、レアティーズが胆汁質を表しているらしい事を指摘し、四体液質がそれぞれどの人物に描かれているかを見ました。今回は『ハムレット』のテーマの一つでもある憂鬱質が、どのような背景を持っているのか、ルネサンスの…

3.ルネサンスのシンメトリー

前回、『ハムレット』の中にシンメトリー構成があるのではないかとしたキース・ブラウンの説を検討してみました。*1 私自身も『ハムレット』の中にシンメトリー構成を探してみたわけですが、その結果を記す前に、前回シンメトリーがルネサンス期の芸術におい…