ハムレットのシンメトリー

Hamlet's Questions and One Man's Answers

劇中劇

16.世界劇場とその観客

前回は『ハムレット』の中に「世界劇場」の理念が含まれているのかもしれないと仮定してみました。そして『ハムレット』に「世界劇場」の理念が組み込まれているのであれば、それによって何が表現されているのかを考えました。今回はさらにこの『ハムレット…

15.劇場としてのイギリス

前回は、ハムレットに語られたイギリスが、舞台の外に広がっているという事を示して、閉幕後のホレイショーの語りと対比して考察しました。 『ハムレット』におけるイギリスと閉幕後のホレイショーの語りは、ともに重要な要素だと思われるのですが、両方とも…

13.舞台の彼方のイギリス

前回は『ハムレット』のシンメトリー構成において、劇中劇と対称となるのはハムレットのイギリスへの渡航であるという事を示して、その二つがどのように対称的に作られているかをみました。そして、劇中劇が舞台内に集中するように作られているのに対して、…

12.劇中劇とシンメトリーとなるのは

ハムレットのイギリスへの渡航です。これが『ハムレット』の中で劇中劇とシンメトリーとなります。 しかし、ハムレットのイギリスへの渡航とはどのようなものだったでしょうか?『ハムレット』を読むか観たのがかなり以前の方であれば、劇中劇は印象に残って…

11.『ハムレット』の劇外劇

前回は劇中劇と閉幕後のホレイショーの語りとの関係を考察し、この二つが対称的に作られているという事を指摘しました。少し入り組んでいましたので、もう一度この二つの関係を見ていきたいと思います。 まず、劇中劇とは『ハムレット』の中でどういうものか…

10.語りから演劇へ

前回は、『ハムレット』という戯曲がその登場人物の一人であるホレイショーが語るものを舞台上に見えるようにしたものではないか、という説を立ててみました。さらに、それによって『ハムレット』が円環するような構造を持つという仮説にいたりました。 そこ…