ハムレットのシンメトリー

Hamlet's Questions and One Man's Answers

亡霊

35.『ハムレット』を「鬼」で解釈する

このブログは『ハムレット』の新たな解釈を公開するのを目的としているのですが、前々回はてなブログの「今週のお題」にそって書いてみたら、わりと面白いうえ新たな発見もあったりしたので、今回もそれを期待してお題で書いてみようと思います。それで、「…

33.『ハムレット』の手帳

今回はこれまでの流れをお休みして、はてなブログの「今週のお題」で書いてみたいと思います。このブログは『ハムレットのシンメトリー』と題して『ハムレット』の謎解きを目的としたブログなので、お題に関しても『ハムレット』に即した事を書ければと思っ…

15.劇場としてのイギリス

前回は、ハムレットに語られたイギリスが、舞台の外に広がっているという事を示して、閉幕後のホレイショーの語りと対比して考察しました。 『ハムレット』におけるイギリスと閉幕後のホレイショーの語りは、ともに重要な要素だと思われるのですが、両方とも…

11.『ハムレット』の劇外劇

前回は劇中劇と閉幕後のホレイショーの語りとの関係を考察し、この二つが対称的に作られているという事を指摘しました。少し入り組んでいましたので、もう一度この二つの関係を見ていきたいと思います。 まず、劇中劇とは『ハムレット』の中でどういうものか…

9.ハムレットウロボロス

前回までに『ハムレット』におけるTo be は開幕から閉幕までの間の舞台上で目に見え、耳で聞くことのできる表現であり、それに対してNot to beは開幕までの時間と閉幕からの時間に設定されている事柄である事をみました。これらは『ハムレット』を見ている観…

8.実体のない存在 —語り、亡霊—

今回も引き続き第一幕第一場と第五幕第二場の考察を行います。前回は第五幕第二場のハムレットの亡骸が壇上に安置されるのは、『ハムレット』の閉幕後に設定されているという事を確認しました。そこから壇上に安置されるハムレットの亡骸は観客の視点からNot…

7.舞台の上に To be,or not to be

前回、前々回と父ハムレットの亡霊とハムレットの亡骸の対称性を検討してきましたが、まだ他にも色々と比較できる箇所があり面白いですので、今回も引き続き亡霊と亡骸についてです。 次に引用するのは第一幕第一場で亡霊を目にしたホレイショーが亡霊に問い…

6.語られたフォーティンブラス、そして現れたフォーティンブラス

前回は父ハムレットの亡霊と息子ハムレットの亡骸の対称性を検討し、それぞれを霊と体とした際に、あのクエスチョンを投げかけてみました。To be か Not to be か? そして亡霊が物質的な視点から見ると Not to beとしてあり、霊的な視点から見れば To beで…

5.父ハムレットの亡霊と息子ハムレットの亡骸

父ハムレットの亡霊とハムレットの亡骸の対称関係からみていきましょう。 『ハムレット』全体の中に父ハムレットの亡霊の登場は3カ所あります。第一幕第一場で歩哨とホレイショーに現れ無言で去っていく場面、第一幕第四場から五場にかけて自らが殺害された…